高関&シティフィル&荒井のショスタコーヴィチ 協奏曲第2番に興奮!
2026年7月16日、東京オペラシティコンサートホールで、東京都交響楽団の定期演奏会を聴いた。指揮は高関健、曲目は前半にヴァイオリンの荒井英治が加わって、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第2番、後半に武満徹の「ア・ウェイ・ア・ローンⅡ」と同じ荒井のソロでショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番。荒井はモルゴーア・クァルテットの第一ヴァイオリンとしてショスタコーヴィチの弦楽四重奏の演奏に定評がある。ぜひ聴いてみたいと思って、暑い中、足を運んだ。
前半を聴き終えた段階では、とても良い演奏だとは思うものの、もう少し荒井には羽目を外してほしいと思っていた。ちょっと優等生的な演奏だと思った。もちろん、音程の良い鋭い音で明確に鳴らし、力感もあってとてもいいのだが、爆発しない。
だが、後半はすさまじかった。まず、武満の曲もとてもおもしろかった。原曲は弦楽四重奏曲だとのこと。だが、弦楽合奏版だと内声部が充実して、魂の高鳴りを感じる。
そして、ショスタコーヴィチの第1番の協奏曲は、高関の指揮によるシティ・フィルの切れの良さと楽器の重なりの美しさもさることながら、やはり新井のヴァイオリンに圧倒された。
第1楽章の途中で弦が切れるというアクシデントがあった。が、すぐさまコンサートマスターの戸澤哲夫のヴァイオリンを受け取り、何事もなかったように続きを演奏。荒井と戸澤はシティ・フィルでもたびたび共演しているだろうし、モルゴーア・クァルテットでも第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンの仲でもある。気心の知れる仲なので、スムーズに受け渡しができたのだろう。次の楽章からは、再び、自分のヴァイオリンに戻って演奏。私は50年以上前からコンサートに通っているが、このような光景を見たのは、たしか2度目だ(前回見たのがいつだったか、思い出せない!)。
第1楽章から集中力あふれるすごい演奏だったが、スケルツォからは、曲自体がそうだともいえるのだが、まさにはっちゃけて、ものすごい演奏になった。前半の第2番を不満に覚えたのは私の不徳の致すところだとつくづく思った。荒井は楽譜に書いていないことはしないのだろう。そして、第1番では後半ははっちゃけるようにできているのだろう。ショスタコーヴィチ特有の狂乱が爆発し、宇宙に向かって躍動するようなカデンツァが展開し、一気呵成に終楽章の熱狂に進んだ。高関のサポートも見事。ショスタコーヴィチの世界を堪能した。
素晴らしい演奏だった。感動した。興奮した。
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コメント
樋口様もいらしてたんですね。私も荒井英治さんの演奏は想像以上の名演だと思いましたが、途中で弦が切れたのにはビックリしました。今までオーケストラの弦が切れたことは何度もありますが、ソリストの弦が切れたのには初めて遭遇しました。荒井英治さんは落ち着いていたのかもしれませんが、私は動揺しました。
投稿: Eno | 2026年7月19日 (日) 12時53分
Eno 様
コメント、ありがとうございます。
ブログを読ませていただきました。私も、オーケストラ団員の弦が切れたのは何度か目撃したことがありました。リサイタルでソリストの弦が切れたのも、佐藤俊介さんと、もう一人(誰だったか、超大物だった気がしますが、よく覚えていません)で経験があります。が、協奏曲でのあのような場面は初めてで、とても驚きました。
私は自分の楽器であるかのように弾き続けるのに驚嘆するばかりで、楽器の違いについては聴きわけられませんでした。
それにしても素晴らしい名演でしたし、アクシデントに立ち会ったことについても、うれしく思ったのでした。
投稿: 樋口裕一 | 2026年7月20日 (月) 07時59分