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工藤和真とゆかいな仲間たち

 2026年8月5日、町田市民フォーラムで、町田イタリア歌劇団主催の「第5回工藤和真とゆかいな仲間たち!!」を聴いた。

 昨日、吉田志門と碇大知の演奏をこのホールで聴いたのだったが、翌日も工藤和真の演奏があることを知って、あわててチケットを購入したのだった。出演は、工藤和真のほか、東京藝大出身の後輩歌手たち、ソプラノの北見エリナ、メゾソプラノの後藤真奈美、バリトンの須田龍乃。かなり若い歌手たちだ。ピアノは小林美穂。とてもレベルの高い演奏だった。

 中田喜直の「木兎」を歌った須田の声に驚いた。張りのある豊かな声で、声のコントロールも見事。工藤との「ラ・ボエーム」の二重唱は圧巻だった。すでに完成された歌手であって、すぐにオペラ公演に出演してもまったく一流歌手たちに引けを取らないと思った。

 北見と後藤もきれいな声で、歌唱も見事。北見によるシュトラウスの歌曲「悪いお天気」は難しい曲をうまく歌っている。レオンカヴァッロの「道化師」の北見と須田によるネッダとシルヴィオの二重唱もなかなかの迫力。後藤のグノーの「サッフォー」もしなやかでとてもいい。二人とも声量も豊か。ただ、やはり工藤と比べると、声のコントロールが少し甘く、ちょっと平板な印象を受けてしまうのは仕方がないだろう。大きな声で強く歌う部分だけでなく、もっと柔らかい表現などが多様になると、もっとすごい歌手になりだろうと思った。小林美穂のピアノ伴奏も、これほど様々な作曲家の曲を、しかもそれぞれ持ち味の異なる歌手たちにふさわしく演奏しているのに驚いた。

 後輩たちもとても良かったが、工藤はやはり圧倒的に素晴らしい。ピンカートンやグノーのファウスト、そして、アンコールの「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」はとりわけ素晴らしかった。これほどの精度、これほどの美しい声、これほどの声量でこの歌を歌える人は、日本にはほかにいないのではないかと思えるほどだった。

 町田市民フォーラムの会場は昨日よりはずっと客も多く、今回は盛り上がるごとにあちこちから、ブラヴォ、ブラヴァの声がかかった。なるほどこれが町田イタリア歌劇団の出し物なのだなあと納得。私の主観によれば、昨日の吉田志門と碇大知の演奏は今日以上に素晴らしく、私は何度となく感動に震えたのだったが、このホールの常連の人たちの好むプログラムではなかったのだろう。改めて、昨日のお客さんが少なかったことをもったいなく思った。

 優秀な若手歌手が次々と現れる。実に頼もしいことだ。

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コメント

7月25日の新国立劇場オペラ研修所公演で、須田さんのジャンニ・スキッキはとても良かったです。

投稿: M.N. | 2026年8月 6日 (木) 09時40分

M.N 様
コメント、ありがとうございます。そうですか、須田さんはジャンニ・スキッキを歌われたんですね。今回、研修所の公演はみませんでしたので、昨日まで須田さんのお名前を存じ上げませんでした。素晴らしい歌手ですね。ジャンニもとてもよかったでしょうね。

投稿: 樋口裕一 | 2026年8月 6日 (木) 20時20分

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