名古屋観光
先週のことになるが、2026年8月8日と9日、所用があって名古屋に出かけた。35℃前後の暑さだったが、ついでに少し観光した。このところ、年齢のせいか、私はかなり宗教に傾いている。まったくの初心者ながら、宗教がらみの観光をしたくなる。それなりに忙しくて、この観光についてブログにアップしないままだった。時間がたってしまったが、備忘録代わりに、ここに簡単に訪れた場所と簡単な感想を記すことにした。
8月8日、名古屋駅に到着後、まずはあおなみ線に乗り換えて荒子駅に向かい、歩いて荒子観音に向かった。先月末、吉田志門&碇大知のコンサートで名古屋を訪れた時、翌日、何も調べないまま、荒子観音に行き、1200体以上残されているという円空仏を見ようとしたら、第二土曜日にしか拝観できないとのこと。いつもながらの自分の迂闊さにうんざりし、今回、この日に合わせて名古屋に来たのだった。
円空は江戸前期の仏師・修行僧であり、歌人であって、各地を歩いて12万体の仏像を彫ったといわれている。美濃に生まれ、現在の名古屋付近が活動に中心だったらしい。
暑い中、歩いて荒子観音に行き、木端の会というボランティア団体の方々が守っている円空仏をみた。木の段の上に30体近くの円空の彫った木の仏が並べられている。大きいもので1メートル前後、小さいものでは、30センチくらいか。いずれも、ごつごつした感じで、粗削り。一本の鉈で彫る一刀彫りの手法だという。
段の周囲には、これまた円空の彫った、人間の指と同じくらいの大きさの木の仏像が数百と並べられている。いずれも、目鼻と腕の形が彫られているくらいで、高度に抽象化されているというべきだろう。
なるほど、丹精を込めて一つの仏像を彫るのも信仰のありかただろうが、このように、一見ザツな仏像も含めてひたすらたくさん彫るというのも深い信仰の現れだろう。常に仏を彫り続ける。心を無にして、具象的なものも抽象的なものも、ともかく様々な形のたくさんの仏像を彫るうちに心の中に、そして体の中に仏が宿るのだろう。
荒子観音の仁王門の仁王も円空の作だとのこと。これも粗削りで円空らしい。
高畑(たかばた)駅まで歩いて、そこから地下鉄東山線に乗って伏見で乗り換え、鶴舞線で大須観音駅で降りて、七寺(ななつでら)へ。駅の横に大須観音があり、心惹かれるものがあったが、私に関心のある領域を検索してGeminiに旅行ルートを質問したところ、七寺が出てきたので、ともあれそれに従う。
小さな寺だった。中に入れてもらって、国重要文化財である聖観音菩薩像や大勢至菩薩像をみた。国宝だった阿弥陀如来像の両脇侍だったものを先の戦争の空襲による焼失の中から2人が何とか持ち出したものだという。この二体の仏像はいずれも心洗われるような表情だった。こんな神々しくも慈悲深いお顔は珍しいと思った。外にある大日如来像は戦争のために破壊されたものをつなぎ合わせたものだったが、風格があった。唐櫃入紙本墨書一切経もあったが、これも重要なものらしい。
住職のお話も聞いた。ご住職によると、元はこの寺は清州にあったものが、家康の清洲越しによって名古屋に移り、しばらくはこの地で広大な敷地を持っていたが、区画整理、大空襲、戦後の様々な政策によって、現在のような小さな寺になったとのこと(もう少し詳しい話を伺ったが、よく覚えていない)。この寺院の過酷な歴史を思わざるを得なかった。
その後、徒歩で10分ほどの栄国寺(えいこくじ)に行った。私は隠れキリシタンにもいくらか関心を持っている。今年の1月に五島列島に行ったのも、そのような関心のためだった。名古屋でそのような跡が見られるとは思っていなかった。尾張藩はキリスト教に寛容だったが、その後、キリシタンは処刑されることになる。寺院内の切支丹遺跡博物館にそのような歴史の展示があった。
この日の観光はこれで終わり。
9日は、午前中に名古屋駅からJR中央線で大曽根駅に行き、そこから「ゆとりーとライン」(高架専用軌道を走るバス)で竜泉寺口へ。歩いて、龍泉寺に行った。ここは、宝物館には円空の彫った馬頭観音像、天照皇太神像、熱田大明神像がある。いずれもかなり粗削りで、木目が強く残った像だ。人間味にあふれている。その横には、細かい木端で作られた円空仏が「円空」という文字を描いて並べられている。きっと、煩悩の残った人の祈りの心なのだろう、と素人なりに思う。
このまま、同じ道を戻って名古屋駅に到着。午前中で観光を終えて、東京に向かった。
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コメント
夥しい数の円空仏や空襲による焼失の危機から救い出された二体の仏像など、わたしもそれらの仏像を見ているような思いで読ませていただきました。名古屋は暑かったのではないかと思いますが、実りある旅になって何よりです。私は最近、妻の体調が不安定なので、泊りがけの旅はできなくなりました。妻も昔は元気だったのですが。
投稿: Eno | 2026年8月18日 (火) 08時57分
Eno 様
コメント、ありがとうございます。
確かに、実りある旅でした。近年になって仏像や神社仏閣に関心をもつようになりましたが、そうしてみると、気軽に行ける場所に、歴史の重みがあり、昔の人の思いの詰まった場所があることに気づかされます。
ブログをたびたび読ませていただいております。ますます関心を広げられておられる様子、感心するばかりです。
奥様が健康を壊しておられるとのこと、お気持ち、お察しいたします。奥様の体調が改善することを祈っております。
投稿: 樋口裕一 | 2026年8月18日 (火) 22時35分