空海と真言の名宝
2026年8月18日、東京国立博物館平成館で「空海と真言の名宝」をみた。
もちろん、ほんの表面をかすっただけだが、60年近く前から仏教にはそれなりの関心を寄せてきた。とりわけ、空海についてはひところ何冊か本を読んだことがある。今回の展覧会は大規模で、秘仏もたくさん集められているという。ともあれ、足を運んだ。
が、炎天下、正午頃に会場に到着すると、入口の手前で大きな行列ができていた。私の前に200~300人くらいは並んでいただろう。思ったよりはすんなりと入場できたが、中は猛烈な人込みだった。人気の絵画や仏像の前には人だかりができて、先に進めない。近くにいた高齢女性がお仲間に「パンダと時と同じくらいの行列ね」と言っていたが、きっとその通りだと思う(私は、今まで一度もパンダをみたことはないが)。ラッシュ時の新宿駅の構内並みといえるほどの混雑だった。
そんなわけでゆっくり見られなかったとはいえ、目を見張るような宝が並べられていた! 冊子や曼荼羅図、空海の手になる文章、屏風、そして、仏画、仏像。あまりに人が多いので、説明書きが見えない。人だかりの後ろについて、少しずつ前の人が減っていくのを待つ。重点を決めて、私に関心のある仏像を中心にみた。
順路に沿って歩き、最初に目を引いたのは、快慶作の執金剛神立像と深沙大将立像だった。動きがあって荒々しい。次には、聖観音菩薩・梵天・帝釈天立像から成る、いわゆる二間観音。東寺の秘宝だとのこと。ケースに入れられた小さな3体だが、青い髪、穏やかな顔、そして緻密な模様の入ったくすんだ金色の袈裟が美しい。二十人くらいが取り巻く中、しばらくしてやっと前に法に行けて、みることができた。
奈良の長谷寺の十一面観音、香川の善通寺の吉祥天立像、兵庫の須磨時の十一面観音像、大門寺の如意輪観音像、観菩提寺の十一面観音像にも目を見張った。いずれも神々しさにうっとりしたり、存在感に圧倒されたり、厳かな美に感動したり。
よくぞこれほどの至宝がここに集まったものだと思った。ただ、繰り返すが、こんなにごった返していると、ゆっくり鑑賞できない。信仰の気持ちを抱くこともできない。もちろん、私も混雑を作り出している一人に違いないのだが、もう少しゆっくりと、静かな環境で見たいものだと強く思う。もう一度、見に行きたいと思っているが、きっと混雑が続くのだろう・・・。
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